ショートショートはいかがですか? -4ページ目

電車とブログと恋愛と。

電車とブログは似ている。

どちらも人を乗せて進んでく。

途中で停まって降りる人。

目的地に会わせて乗り換える人。

出会いがあれば別れもある。

故障で滞ることもある。

もちろん、終電だってある。

でも焦ることはない。

日がまた昇れば始発が出るから。



これはアメブロ内のある方にあてたものである。

心当たりのある方、どうやらまだ終電に間に合うようですよ。

最新記事はこの下です。

C王子のペット『夢見るバク』です。
ショートショートが大好きで、ショートショートの記事に登場します。
Boojilさんから預かっています。



どうも、妄想作家C王子です。

★ショートショートのバックナンバーはこちらです。

★C王子のつぶやき(日記)はこちらです。

★メールマガジンをご希望の方はこちらからご登録ください。

掲示板をつくりました。足跡を残してくれると嬉しいです。

ショートショート大賞にノミネート中です。
 5作品の中から面白いものを応援してあげてください。

★ランキング現在42位!投票お願いしますm(__)m

ウイルスの猛威

「総理。今、本国では大変な事態が起こっております」

秘書が慌てて部屋に入ってきた。



ここは超一流のホテルの一室。

丁度その国の総理大臣は海外を訪問している期間中であった。














20XX年。

小さな島国をウイルスが襲った。



その島国は面積は小さいものの、他の経済大国と肩を並べるほど発展

しており、また、戦争のない平和な国であった。



医療技術は発展する一方で、女性の社会進出による晩婚化と失業率の

上昇により少子高齢化が進み、GDPの低下と税金対策が大きな問題

となっていた。






















そのウイルスの被害が納まるまで3ヶ月がかかった。



何とかウイルスの拡大は防ぐことができ、被害はその小さな島国だけ

で納まった。
















「総理。ようやく国に帰れますね」

飛行機の中で秘書が首相に囁いた。



「ああ。ところで被害の方はいったいどのくらいだ」

首相がそう聞くと、秘書は深刻な顔になった。



「今回の被害は予想を大きく上回るものとなりました。

今回のウイルスによって全国民の4割が死亡しました」



首相はため息を付いた。




「そうか・・・。それで、その内訳は?」



「はい。死亡した国民の9割が抵抗力の弱い老人と子供です。

今回のウイルスにより、65歳以上の老人と3歳以下の子供のほとんど

が死亡したと思われます」



「残念だ。何の罪もない人達を・・・」

その言葉を聞いて、秘書の頬を涙が伝った。










首相はそっと窓の外を見上げた。

そしてこうつぶやいた。










「何度でも立ち上がればいいさ。子供はまた産めばいい。

これから我が国は再出発だ」

そう言った首相の口元は微笑んでいた。
























ウイルスの猛威によって老人の割合が激減したその島国は、発展の
一途を辿った。





面白かったら投票してね


C王子のペット『夢見るバク』です。
Boojilさんから預かっています。

トップアイドルT.K

俺はT.K。25歳。

今やこの国で俺のことを知らない人はいない。

そう。俺は誰もが羨むスーパースターだ。








街を歩くギャル達はもちろん、九九を覚える小学生の女の子から、

年金の計算をしている婆さんまで、女という女はみんな俺の虜さ。










15歳でデビューしてから10年。

ここまでのぼりつめる道のりは実に長かった。

歌、ドラマ、映画、モデル、本、CM、舞台・・・。

やれること全てをこの歳にしてこなした。












しかし、俺の野望はまだまだ終わらない。

いよいよ海外進出への兆しが見えてきた。

ついにハリウッドからオファーが来たのだ。

この時のために俺は5年間も駅前に留学したんだ。
















今俺は楽屋にいる。

おそらく今日はこの国で最後の仕事になるだろう。

クライアントは株式会社S

そう。清涼飲料で有名なあの会社だ。

そのS社が新商品を発売するということで俺にCM出演をオファーしてきた。

俺はもう世界へ羽ばたく人間だからと一度断ったんだが、どうしても

というものだからしょうがなく出てやることにした。

ま、額が額だけだったしな。

その編のB級タレントと一緒にしてもらっちゃ困る。

俺はA、いや、級タレントなんだからさ。













何度も言うが俺は流行の発信源。

俺が右といえば国が右を向く。

俺が着たブランドの服はたちまちプレミアがつく。

俺が宣伝した商品はすぐさまソールドアウトだ。














ふっ。俺は何て罪な男なんだ。

今日もまた1つ流行を作ることになるな。

































10年が経った。








































時の流れほど恐ろしいものはない。

あのころの人気はどこへ行ってしまったのだろうか。

俺の後をつけまわしていたギャル達は今やおばちゃんになっていて、

隣国の俳優に夢中になっている。

華やかなギャルとなった当時の小学生の女の子達には顔を見て笑わ

れるしまつ。

年金の計算をしていた婆さん達はとっくのとんまにあの世へ行っち

まった。















俺はあの日と同じ楽屋にいた。

鏡に映る自分の顔を見る。












また1つが増えた気がする。

あの頃に戻りたい。

若さが欲しい。















しかし、俺もまだ35歳。

男は30過ぎてからって言うじゃないか。













しかも、今日はCM撮影の仕事。

運命のいたずらか、クライアントは10年前に出た株式会社Sだ。

本当あの時謙虚に出演しといてよかったぜ。

















あのあとS社の新商品は大ヒット。一大ブームを巻き起こした。

それもすべて当時の俺のおかげ。

だから、S社は俺にオフォーを出すのは当然。

むしろ、お釣りが来てもおかしくないくらいじゃないか。
















































トントンッ!!


ドアがノックされた。ADが入ってくる。






































































































株式会社Sさん。


そろそろ出番なのでスタンバイお願いします」














「あ、はい。今日はよろしくお願いします」

俺は深々と頭を下げる。







ちくしょう。悔しい。

球団や会場が名前を売る時代はとっくに通り越した。

今は芸名まで買収される時代になっちまった。



面白かったら投票してね


C王子のペット『夢見るバク』です。
Boojilさんから預かっています。

パパラッチ

俺は某有名週刊誌の専属カメラマン。

有名人の私生活の特ダネを他の誰よりも早くカメラに収めるのが仕事だ。

人は俺達のことをパパラッチと呼ぶ。


















この仕事では実力が物を言う。

スクープを嗅ぎ分けるプロの勘と、ベストショットを撮るためにひた

すら待ち続ける忍耐力が必要だ。
















この仕事を始めて早3年。

俺にも最大のチャンスがめぐってきた。











情報屋から、超人気若手アーティストのが見知らぬ男とホテルに

入ったとのタレコミがあったのだ。











周りには俺以外誰もいない。

スクープ独占のチャンスだ。

















電柱の陰に隠れて1時間ほど待っていると、深々と帽子を被り、

サングラスをかけた女性が背の高い男性とホテルから出てきた。

女性は口元にマスクを付けているがHに間違いない。











俺は陰からそっと正面に回り込み、思い切りシャッターを切った。









あたり一面がフラッシュで明るくなる。













Hは顔を手で覆うがもう遅い。

このカメラにはバッチリとHの顔が写っている。











男は悲鳴を上げて逃げ去って行った。

しめた。男も有名人だったのかもしれない。






















































「待って!お願い」

俺が急いでその場を走り去ろうとしたその時、Hが俺を呼び止めた。










「お願い。理由があったの。話しだけでも聞いて」

声の震えでHが泣いていると分かった。








































俺はもっと重要な情報が手に入れられるかもしれないと思い、Hの

言い訳を聞くことにした。

な~に、話を聞くだけならタダだ。















道路の真ん中で話すのはまずかったからとりあえずホテルの中で話し

を聞くことになった。

































Hの話は俺の予想を遥に超えていた。

情けないことに俺は同情さえ覚えてしまった。











スクープはまた撮ればいい。

俺はフィルムを取り出し、Hに渡した。



































俺はHを慰め、一緒にホテルを後にした。






























その時、1人のカメラマンが俺達の前に現れてシャッターを切った。

あたり一面がフラッシュで明るくなった。


面白かったら投票してね


C王子のペット『夢見るバク』です。
Boojilさんから預かっています。